全ては
君が去ってしまった後で
それから
最後に
もう一度だけ
君の事を想う
週末の朝になると
僕達は
そっとベッドを抜け出した
そして
街外れの森の中にある小さな池まで
息を切らしながら急いで駆けていった
その辺りには
赤いクランベリーがなっている
そこは
二人だけの秘密の場所
まだ誰にも知られていない
そんな場所だった
僕達は
夢中になってクランベリーを摘み
やがて
お昼近くになると
草の上に綺麗な青いブランケットを広げた
綺麗に編み上げられたバスケットから
新鮮なサンドイッチと温かい珈琲を取り出す
二人で並んで座り
無言のままそれらを食べ終わると
僕達は服を全て脱ぎ
そのまま性行為に耽った
いつもと見える景色が違うからなのだろうか
君はペニスがヴァギナに出入りする様子を
僕に見せつけるようにして
いつもよりも大胆に僕の上で自ら腰を動かした
陶酔感に耽るその口元から
卑猥な言葉を次々に吐きながら
そして
疲れ果てた僕達は
全裸のまま束の間の眠りにつく
真新しいラジオからは
The PretendersのKidが流れていた
その歌声に目を覚ますと
僕達は実に名残惜しそうに
その場所を離れた
そう
あの頃の僕達は子供だった
こんな出来事が永遠に続いていく
なんて事を本気で思っていたくらいには
全ては
君が消えてしまった後で
それから
最後に
もう一度だけ
君の事を想う
街を出る汽車の列に並んでいる君を見かけた
僕の知らない男性と名残惜しそうに
この街の景色を眺めていた
僕はいつまでも
名残惜しそうに君の事を見た
そして
僕は逃げるようにその場から走り去る
それから
再びあの場所を目指した
全ては
君が逝ってしまった後で
それから
最後に
もう一度だけ
君の事を想う
週末の朝になると
僕は
そっとベッドを抜け出した
そして
街外れの森の中にある小さな池まで
息を切らしながら急いで駆けていった
その辺りには
赤いクランベリーがなっている
そこは
僕だけの秘密の場所
そして
君にとってもそれは同じ
そんな場所だった
僕は夢中になってクランベリーを摘み
やがて
お昼近くになると
草の上に薄汚いない青いブランケットを広げた
色褪せ壊れかけたバスケットから
カビの生えたサンドイッチと冷たい珈琲を取り出す
そして
無言のままそれらを食べ終わると
僕は服を全て脱ぎ
卑猥な言葉を吐く君を思い出しながら
自慰行為に耽った
そして
疲れ果てた僕は
全裸のまま束の間の眠りにつく
古いラジオからは
The PretendersのKidが流れていた
その歌声に目を覚ましたが
僕はその場所を
いつまでもいつまでも
離れる事が出来なかった
そう
僕はすっかり大人になっていた
こんな出来事が永遠に続くはずもない
という事を理解していたくらいには
そしてそのまま
そしてそのまま
隣に居る君はもう
一生目を覚ます事はないのだと悟った
こんなに苦しいのならば
愛しい君を
美しい姿のままの
そんな君を
食べてしまいたいと思った
それなら
クランベリーをジャムにして
君の身体に塗ってからがいい
まずは
君の青白い顔にそれを塗って
舌で舐め上げた
すると
甘酸っぱい香りが口の中一杯に広がる
次に
君の薄めの陰毛に
それから
形の良い、小ぶりの乳房にも
そして
可愛いらしい乳首を
口に含んだ
痛いくらいに勃起したペニスを
ジャムまみれのヴァギナに挿入しながら
すっかり白く冷たくなった君の身体を
鎖骨の軋む音が聞こえるくらい
強く抱きしめた
私はすぐに射精してしまった
大量の白濁した精液が
赤いジャムと混ざり合いながら
君のヴァギナから滴り落ちる様を
朝が来るまでずっと眺めていた
それはそれで幸せだったんだと思う
そう思うと少しだけ名残惜しいと感じ
そう感じたのと同じくらい
少しの涙が頬を伝った
街を出る汽車の列に並んでいる君を見かけた
私の知らない男性と名残惜しそうに
この街の景色を眺めている
私はいつまでも
名残惜しそうに君の事を見る
そして
私は逃げるようにその場から走り去った
それから
行くあても無く
この繊細なガラス細工のような街で
ただただ
途方に暮れていた
全ては
君が去ってしまった後で
そして
どんなものでも
君の存在には敵いはしないのだと
それに気がついた私は
遠い日々の出来事と
赤いクランベリーを摘む
君の姿を想った
ドロレス・オリオーダンに捧ぐ