Lou Reed

 

 

それにしても

 

 

なんて完璧な一日なのだろう

今でも

こうして

君を想い

 

なんて完璧な一日なのだろう

この街で

再び君と

巡り逢えたなら

 

なんて完璧な一日なのだろう

そんな

あるはずの無い出来事に

想いを馳せる時

 

 

 

 

 

夜空を見上げていた

この部屋からはもう

昔のように

星は見えなかったが

 

例えば

水瓶座ペルセウス座

昔は見えたはずの秋の星

それらを見つけた

そんな気がしていた

少し冷たい風に

オリーブ色のカーディガンが

優しく揺らぐ

 

部屋に戻ると

The Human Leagueのレコードに

針を落とす

そして

ボトルに残ったchivasを

ストレートで一気に流し込む

それは

痛みを伴いながら喉を焼き

微かなカラメル臭を

鼻腔に漂わせた

その瞬間、また

君の事を思い出す事が出来た

 

酔った君が

僕の側まで来る

少し虚ろな目をしながら

いつものように

慣れた手つきで

僕の下半身を露出させる

そして

露わになったペニスを

手で優しくしごきはじめ

舌を絡めるように

僕に口づけをした

それから

ペニスが充分に大きくなった事を確認すると

生暖かい口に含み

美味しい

と僅かに微笑みながら

何度も何度も

頭を前後に揺らした

 

酔い始めた僕は

それを思い出す

そして

いつものように

自分でペニスをしごきながら

射精をした

 

 

 

 

 

何もかもが

狂ってしまった

はじめての出会いは

もうずっと昔の事

それなりに上手くやって来た

やって来たつもりだった

危険な路とは知らなかったから

 

何もかもが

空想だったのかも

今はそんな風にも感じる

それぐらいの時は

いつの間にか

経っているのだから

最初から

危険な道を歩いていた

そんな二人

 

 

 

 

 

 

 

疲れ果てた僕は

夢を見ない

 

そんな

 

完璧な一日

 

 

 

 

死んでも

魂の還る場所は無い

 

それも

 

完璧な一日

 

 

 

 

僕は待ち続けた

ショットガンを口に咥えたままで

 

それが

 

完璧な一日

 

 

 

 

その後に訪れるのは

 

きっと

 

永遠の静寂

 

それでも尚

 

僕にとっては

 

完璧な一日

 

 

 

 

君がもし

今でも

君の言う

危険な路を歩いているのならば

 

 

 

 

 

 

 

ルー・リードに捧ぐ