Edward Van Halen

そう

そこは俺のオアシス

場末のストリップ劇場

俺が天国への階段と呼んでいる

薄汚れてやけに細長く勾配のきつい階段を上がったところにそれはある

 

入り口の小さなTVモニターには

『先生に熱くなっちまった』

なんて歌っている古いロックのPVが流れ

まるで

少年のままの笑顔でギターを弾いている長髪の男が映っていた

 

そしてその男は

俺が踊り子達に熱を上げている事を見透かしているかのごとく

実に楽しそうにギターを弾いているのだった

 

 

 

踊り子の青白い肢体は

霧のようにしっとりとした透明な汗によって

その肉体をより妖艶に見せ

俺の熱量さえも奪いながら美しく光っている

せめて今夜くらい

一緒に踊れたなら

朝が来るまで

いや

それだけじゃ到底満足など出来るはずも無く

 

 

5150

そうコードネームで呼ばれる俺には

今夜はまだ片付けなきゃならん厄介な仕事が残っており

それはまるで

悪魔と走るようなものだから

Holy Warsを聴きながら第三京浜を爆走し

今も

The Unforgivenのように彷徨っているけれど

それでも

Bitter Sweet Symponeyで人混みを歩き

その時が来たら

Major Tomのように帰還しないとゆう選択肢を選んでしまう俺だから

今すぐに

Jampして

何処か遠い場所へ行きたいと願った

そうだ

Panamaだ

Panamaにでも行けたらいいのに

今この瞬間に

 

 

 

 

ところで

 

 

 

あの長髪の男は

今でもまだ何処か遠い場所で

ギターを弾いているのだろうか

まるで

少年のような笑顔を見せながら

 

 

確か

Eddy  

そう呼ばれてたっけ

 

そして

 

俺の上には

AM 3:00の青白い踊り子の肌のような美しい月が出ている

 

 

 

 

エドワード・ヴァン・ヘイレンに捧ぐ